Diverse developer blog

株式会社Diverse(ダイバース) 開発者ブログです。

俺コンで「iOS でテスト容易な設計を実現するためのデザインパターン」を発表してきました

はじめまして。Diverse で iOS アプリの開発をしている Kuniwak です。

先日開催された iOSDC の第三者によるリジェクトコンで、設計のデザインパターンについて発表してきました。
発表内容は、単体テストを簡単にするための設計のデザインパターンの紹介です。

発表の概要

speakerdeck.comこの発表では、単体テストでは必須となる、代替オブジェクト(Stub や Spyと呼ばれます)の作成方法から、UIKit への応用などの広範なベストプラクティスを紹介しています。また、特にアーキテクチャを限定していないため、MVVM や MVC、MVP などの設計にも応用できます。

このパターンを実践し続けた未来

なお、このパターンを使って単体テストを活用していくと、どのようになるかについてもお話ししましょう。

私の所属する iOS チームでは、この設計パターンを使って10万行ほどのSwiftのコードを開発しており、このうち14,000行ほどが単体テストのコードになっています。そして、単体テストをうまく活用できているプロジェクトでは、コンポーネントの多くが単責務で疎結合になることを強制されます。そのため、私たちのプロジェクトでは複数の責務が混在する FatViewController は1つもありませんし、Model にログ機能が混在することもありません。

もしかすると、FatViewController を防ぐための一番の方法は、単体テストを書き、その単体テストの声を聞くことなのかもしれませんね。

さて、この話を聞くと「そんなにテスト書いてたら開発速度落ちるでしょ」という声をいただくことを容易に想像できるのですが、実際は逆です。私たちのプロジェクトでは、単体テストを書きはじめてから行数ベースでおよそ3倍ほどの開発速度になりました*1。先ほど述べた通り、1/7は単体テストのコードですから、残りの本体コードを書く速度はおよそ2.5倍になったということです。

この理由は、おそらく単体テストによりデバッグにかかる時間が大幅に短縮されたことでしょう。最終的に、私たちのプロジェクトで手戻りの原因のほとんどが仕様の誤解や見た目の修正のみになりました。つまり、単体テストで防ぐべき手戻りをほとんど防げているということです。さらに、これは嬉しい副作用なのですが、今のところクラッシュフリーを達成できています。

皆さんも、単体テストで開発を爆速化していきましょう。

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Diverse では開発を爆速化させたい iOS エンジニアを募集しています!

あと、MirrorDiffKit をよろしくお願いします!!!!  

github.com

 

*1:この時期に開発人数が2人から3人になっているので、単体テストだけが要因というわけではありません